糖尿病網膜症には病期(進行のぐあい)があり
病期により治療方法が異なります。
病期は通常の眼底検査の所見より明らかな場合もありますが
診断のために蛍光眼底検査(FAG:fluorescein fundus angiography)
が行なわれる場合が多くあります。
この検査は眼科では40年以上前から行われているもので
血管からフルオレセインナトリウムという造影剤を注射して、
網膜の血管などの写真を撮影する検査です。
ではそれぞれの病期ごとの所見、症状、治療を大まかに示します。
増殖網膜症
症状:この時期には視力低下などの症状が伴います。
治療: 眼科で光凝固治療をおこないます。
硝子体出血や網膜剥離に対しては硝子体手術を行うこともあります。
やはり血糖コントロールも重要です。
前増殖網膜症
症状: 通常は自覚症状はほとんどありません。
治療: 眼科で光凝固治療をおこないます。
血糖コントロールも重要です。
単純網膜症
症状: この時期には白内障などの合併症がなければ視力低下などの自覚症状はありません。
治療: 血糖コントロールが第一です。
眼科での治療はなく経過観察となります。